声圧は言葉以上に想いを語る
声圧
声には、声圧、というものがある。
声の圧。
声の圧力。
同じ音の高さ、同じ声でも、声圧が少ないと、弱々しく聴こえる。
なんなら聴こえない。届かない。
小さな声でも、声圧があると、すーーーっと通る声になる。
さだまさしさんがどこかで言ってた。
テレビにで始めた頃、音圧が届かないから厳しいなと思った、と。
Live、生なら、声圧・音圧が、びりびりと伝わる。
空気を伝って、まんま身体で感じることができるからだ。
そう、今流行りのYouTubeも、どれだけスマホの性能があがろうと、声圧をまるっと届けてはくれないのだ。
想いと声圧
〇〇と思います。
と言いながら、
ほんとはそう思ってないでしょう?ということがある。
頑張ります、と言いながら、頑張る気ないな、とか。
私はコレが好きです、と言ってはいるけど、
うーん・・・本当に好きなのかな?
本当の本当は、好きではなく、好きだと思おうとしてるんじゃないかな?
というようなとき。
声圧は、
言葉以上に想いを語る。
とはいえ、
いえ!本当に思ってるんです!
でも伝わらないんです・・・涙
というひともいる。
本当に思ってる。
嘘じゃない。
でも、伝わらない。
あと、たとえば、上っ面だけで話している営業マン。
時にいる、そらぞらしい、ということばがぴったりなひと。
ふわついていて、声圧がうすいか、
できる詐欺師的営業マンは妙に不自然なほどの声圧がある。
騙される人は騙されるし、
分かる人には、すぐ分かる。
上っ面に騙される人がいることが、残念なのだけど。
その話は今回は置いといて。
感情が乗らない声
想いが伝わらない声・声圧について、その理由を大きく3つ述べていく。
ベクトルが相手に向いていない
自分のベクトル、矢印が、外ではなく、相手でもなく、自分の内側にだけ、向いているとき。
声圧はあがらない。
ときに静かに、だけど強くしなやかに、想いを感じているひともいる。
それが、静かだけれど、ものすごい気迫とともに伝わるときもあれば、まったく伝わらないときもある。
それは、自分の中だけで完結させ、外に出す気がないとき。
要は、伝える気がない、ときだ。
想像してみてほしい。
たとえば、超サボテンおたくな人が、いたとしよう。
サボテンが好きで好きでたまらない。
愛おしい。
愛してる。
人生のすべてをサボテンに捧げていると言っても過言ではない。
そんなひとが、どうせ分かってもらえないだろう、と思いながら
サボテンが好きなんです、と声に出すときと、
どうしてもこのサボテンを手に入れたい、
でもこの持ち主は譲る気がない、そんなときに、サボテン愛を語るときでは、きっと声圧は違う。
どうしても伝えたいという想いがあるからだ。
また、人前でスピーチをするとき。
伝えたい、という想いを持っていたり、
語る内容を自分の中で強く感じながら、それを伝えようとした場合、
とても想いが伝わる声となる。
逆に、
他者をそう認識せず、自分の中だけで完結した状態で話した場合、声圧は下がり、想いは伝わらない。
これは影響力や衆目にも関わること。
伝わりづらいだけ
感情が乗らない声、がある。
音や感情の起伏が少なく、声圧もなく、想いが伝わらない。
先日『火花』の作者であり、お笑い芸人の又吉直樹さんの動画をたまたま聴いたとき。
彼がこう言っていた。
無表情で、表に出にくいから、
感情がないと思われて馬鹿にされていたことがあった。
でもいろんなことを感じていた、と。
感情が表に出にくい、声に出にくい、でもいろんなことを感じている。
そんなひとは、彼のように、様々な形での表現の才能を持っているかもしれない。
そして彼は、表に出していないようで、
淡々と、でも自分の内と照らし合わせ選らばれた言葉で語られる声は、
大事に耳を傾ければ、そのうちに秘められた想いと深さが、どんっと流れ込んでくる。
これを感じられるかどうかは、受け取り側の感受性の高さにもよるのだ。
大衆性に振り回され、うわべだけを見ているか、自分の感覚で世界を見ているか。
ここは、発信側も受信側にも問われる大切な話。
感情を感じていない心と身体
本当に思ってる!
そう思ってるもん!
そのひとがいくらそう言ったって、実際は違う、ということが多々ある。
セッションをしていると、
口ではそう言っているけど、本当はそう思ってはいないな、と感じるのだ。
たいていそういうときは、思考だけで物事を考えているときである。
心と身体は感じていない。
頭だけで、上っ面だけで考えて、そんな気がしているだけ。
現代人は、この状態のひとが本当に多い。
〇〇したい。
○○みたになりたい。
そう思っていること、本当にそうなのか?
本当にそれを、心から手に入れたいのか?
そう問うたとき、
違うことが多いのだ。
そういうときは、
①思考停止しているか、
②上っ面だけで考えているか、
③疲れている
のどれかだろう。
疲れているときは、
ゆっくり寝て、
ゆっくり休み、
自然に還ってリラックスすることが必要。
働きすぎ。
気を遣いすぎ。
考えすぎ。
悩みすぎ。
ゆっくりした時間をとることをお勧めします!
豊かな声圧は育てられる
声、声圧は、育てることができる。
①声と呼吸が繋がっていない。
②吐く息の力が足りない。呼吸が浅い。
③身体の力が抜けていない。
④身体がかたい、筋肉が固まっている。
⑤重心が高い、軸がふらついている。
⑥感情と声が繋がっていない。
など、豊かな声を阻むものには、さまざまな理由がある。
そのひとつひとつを丁寧に外していく、育てていく。
そうすると、豊かな声が拓かれていく。
同時にそれは、本来の自分に還り、自由になる作業なのだ。
声を知る=自分を知ること
声を解放する=自分を解放すること
ともに、ココロオドル人生を。