喉が詰まって声が出にくい-Tさんの場合-

喉が詰まってスッキリ声が出ない

喉が詰まった感じがして、声がすっきり出ないんです。
Tさんはそう言ってこられました。

喉に違和感がある、と耳鼻咽喉科にも行ったのですが、
何にも問題はないから、
心理的なものでしょう、と言われたそう。

 

喉が詰まっている感じがする。
喉に違和感がある。
声がすっきり出ない。

そう言ってこられる方は実は多いのです。

 

喉が詰まっている理由

喉が詰まっている。
違和感があり、少し苦しい。
声が出しにくい。

これには、いくつかの理由があります。

 

理由①身体に不要な力

Tさんを見ていると、喉、首周り、上半身にすごく力が入っていました。
肩がぎゅっとあがっている。

パッと見るだけで、いたるところに、不要な力が入っていることがわかります。

 

これは、声を出すときも例外ではありません。

声を出すとき。
ちょうど喉ぼとけに当たる場所あたりに、力が入ってしまっています。

 

これでは、喉に違和感を感じるのも当たり前。

 

喉が詰まった感じがする。
そういうときはまず、不要な力が入っていないかどうかを確認するのが大切になります。

Tさんの場合は、
喉の中央辺りで、こもったような声になり、それもまた、Tさんの悩みの種となっていました。

 

身体自体に力が入っているのは、

1.筋肉が固い。
2.柔軟な筋肉の使い方、身体の使い方を知らない。
3.頑張っている。
4.闘っている。
5.身を護っている。怖がっている。

などの理由が挙げられます。

 

1・2はフィジカルな面。
もともと運動する習慣がなかったり、
運動=筋トレ=力を入れた筋肉を作る、というトレーニングをされている方などは、とても身体に力が入っています。

 

3~5に関しては理由③で。

 

理由②発声の癖

Tさんは、ストレートに声を出す話し方ではなく、喉のあたりでくっと力を入れたようなこもらせたような、発声の仕方になっていました。

『発声』とは特別なことではなく、普段の声の出し方、発し方、のことです。

 

発声練習、発声トレーニング、など、『発声』というのが

 

・アマチュア以上で歌の練習をするひと
・舞台俳優、演劇をしているひと
・アナウンサー、声優

 

などと言った、声を仕事にしているひとのためのもの、というイメージがありますが、

 

普段の生活、
日常のコミュニケーションで声を出すこと、も『発声』です。

 

わたしたちは、その『発声』については、何も教えてもらわず、知識を得る機会もないまま、声を出し、会話をして生きているのが現状です。

 

そんな中Tさんは、

知らず知らずのうちに、喉に負担のかかった、奇妙な声の出し方をしてたのでした。

 

理由③メンタル的理由

先ほど身体に力が入る理由として、

1.筋肉が固い。
2.柔軟な筋肉の使い方、身体の使い方を知らない。
3.頑張っている。
4.闘っている。
5.身を護っている。怖がっている。

と書きましたが、

 

何事も一生懸命頑張ろうとしているひと。
ちゃんとしなきゃ、しっかりしなきゃ、と思っているひと。
自分がやらないと、と思っているひと。

周りは敵だらけだと感じているひと。
いつも批難・否定されそうな気がするひと。

 

こんなふうに感じながら生きていると、
心が構え、肉体も構えてしまいます。

 

身体が固い、身体に力が入っている、というのは、
身体からあなたへの、ゆるゆるいこうぜ、大丈夫だから、という、メッセージなのです。

 

喉の詰まりを取る方法

喉の詰まりを取りたい。
違和感をなくしたい。
すっきり声が出るようになりたい。

そう思うTさんには、3つの方法を行いました。

 

身体からのアプローチ

まずは、簡単足つぼ・下半身マッサージから。

そして、
目の周りをほぐす。
頭をほぐす。
首をほぐす。

その後、肩甲骨、肩回りをほぐしていきました。

Tさんははじめ、肩こりの自覚さえありませんでしたが、

次第に、

・自分に力が入ったままであること

・肩や首が凝ってること

を実感でき、緩めるとはどうすればいいのか、が少しずつ分かるようになっていきました。

 

発声からのアプローチ

声の出し方を知ってもらうのも、大切なアプローチ法。
今Tさんは、今出している発声のやり方しか、知りません。

そこでいくつか、試してもらいました。

・前かがみ発声

・ふらふら発声

・背中壁付け発声

・胸降ろし発声

・膝降ろし発声

・テーブル発声

・ベルカント発声

などなど。

(発声法の内容は割愛します。分からなくて大丈夫です。)

 

そこで分かったのは、
重心が降りていないということ、
呼吸と声と身体が一致していないということ。

その上で、
前かがみ発声やテーブル発声が有効だった、ということ。

 

発声の癖を治すには、コツをつかむまで時間がかかります。

まずは、
これまでの自分の声の出し方が、気持ちよい声の出し方ではなかった、ということを体感してもらい、
心地よい声の出し方を、知ってもらうのがスタートライン。

声を出す、という作業は、身体を使い、心を使い、自分を表現する作業。

声を出す身体が、すっきり声を出す体感自体を知らないと、
分からないままだからです。

 

ひとしきりやったあと、
こんなの、自分の声じゃないみたい!!!と、
ピアノを使った発声練習のときに、Tさんは、驚きの声をあげました。

 

メンタルからのアプローチ

さて。

身体や発声など外側・スキルのアプローチをしたとしても、
そもそもなぜそんな声の出し方が知らず知らず身に付いたのか、なぜそんな体になっているのか、そこを紐解かなければ、同じことを繰り返してしまいます。

 

なぜTさんは、そんな声の出し方をしていたのでしょう。
なぜそんなに力の入った状態になっていたのでしょう。

 

その裏には、

・誤解されたくない。
・相手を傷つけてしまう。
・ちゃんとことばを選ばなければ。

といった心が隠れていました。

 

何も考えずに喋ったら、相手を傷つけてしまう。

 

Tさんは子どもの頃、
思ったままを口にしたことばで、
何度も何度も部活内でもめ事となり、

次第に言葉を慎重に選ぶようになった、と思い出して語ってくれました。

 

同じような経験をしたひとはいないでしょうか?

 

・何気なく放った言葉で相手を傷つけてしまったこと。

・キツイ、怖い、と、敬遠されたこと。

・そんなつもりはないのに・・・と唇を噛んだこと。

 

周りを傷つけてしまう。
私は無神経だから、しっかり気を付けなくては。

 

そうやって言葉を選び選びしているうちに、喉に関所ができて、そこが関門となり、、、

一旦そこで強く抑え込んでから、大丈夫そうなら、オブラートに包んで声に出す。
そんな癖がつきました。

 

そうやって喉には、関所と言う名の、喉の詰まりができたのでした。

 

真の問題は

真の問題は、声が出にくいこと、ではありません。

喉が詰まった感じがする。
喉に違和感がある。
声がすっきり出ない。

 

そう感じている理由と原因が、分からないこと。

 

なぜなのか分からず、
どんな現象なのかも把握できず、
ただ、医者に行ったら、何もない、と言われる。

 

この、何だか分からない状態というのが、一番怖いのです。

 

まずTさんは、

身体が固いですねー、
声を出すときに不要な力が入っていますね、
それはこんな心が影響しているからかもしれません。

 

そんなふうに、
現状を把握し、その理由を模索できた。

これが、一番大きな収穫でした。

 

その後Tさんは、

身体を緩めること、
呼吸法、
発声トレーニング、
メンタルトレーニングなどを、自分でやっていき、

 

気持ち悪さが減ったんです!
相手が嫌いなひとのときには、前のように声がすっきり出ずに喉が詰まる、ということが分かるようになってきました!と、

自分を把握し、
変えていく道を、進まれたのでした^^。

 

 

あなたの喉はどうですか?
何を、教えてくれていますか?

 

ともに、ココロオドル人生を!

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